正しく歯磨きを行えている人は少ないのが実情です。毎日歯磨きを行っていても、虫歯や歯周病になってしまう人が多いです。
虫歯や歯周病の根本の原因はプラーク(歯垢)であり、予防の基本は毎日行う歯磨きです。せっかく歯磨きを行っていても、方法が間違っていては、効果的な予防にはつながりません。
歯磨きのやり方を改めて見直してみることが大切です。うまく磨けていない場合には、ブラッシング指導を受け、正しい歯の磨き方を身に付けることをおすすめします。
歯ブラシの基本的な持ち方を大別すると、鉛筆を持つように握る「ペングリップ」と、手のひら全体で握るように持つ「パームグリップ」の二つに分けられます。磨く場所に応じて、これらの持ち方を使い分けると良いでしょう。
歯に付着した汚れは、歯ブラシの毛先を当てることで除去できます。力を入れすぎたり、毛先が広がった歯ブラシを使っていたりすると、毛先がきちんと歯面に当たらないため汚れを効果的に除去できません。
歯ブラシをまっすぐ歯面に当てるようにして、適度な力加減(軽い力)で磨くと良いでしょう。
ブラッシング圧が強すぎると、効果的に磨けないだけでなく、歯茎を傷つける原因になるため注意しましょう。
歯ブラシを動かす幅が大きければ、毛先があたりにくい部分が出来てしまって、磨き残しができやすくなります。
歯ブラシを細かく動かしながら、1本1本丁寧に磨くことが大切です。
磨き残しになりやすい主な場所は、奥歯の溝や歯と歯茎のすき間、歯と歯のすき間です。この箇所を正しく磨けていない方が多いです。
奥歯は歯ブラシが届きにくいうえ、歯ブラシが頬に当たってしまうなど、磨きにくい場所です。奥歯の溝は汚れが溜まりやすい場所でもあるため、磨き残しにならないようにしっかり磨く必要があります。
奥歯の溝についている汚れを、ていねいに搔き出すような感じで行うと良いでしょう。
歯と歯茎のすき間は、磨き残しになりやすい場所ではありますが、むやみに力を入れてゴシゴシ磨いてしまうと、歯茎に負担をかけてしまうため注意が必要です。
次に紹介します、歯と歯茎のすき間を歯ブラシを傾けて磨く方法を「バス法」と言います。
歯磨きの際、歯ブラシを細かく動かすことが大切ですが、特に歯と歯のすき間は、ブラシを動かす幅が大きくなると、すき間にブラシが入りません。
歯ブラシを使って、丁寧に歯と歯のすき間を磨くことも大切なのですが、それでも十分に汚れを落とせていないケースが多いです。
歯と歯のすき間は、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助清掃用具を併用すると効果が高まります。歯ブラシだけでは汚れの除去率は低いため、補助清掃用具の併用をおすすめします。
「どのように歯磨きを進めていくか」という決まりはないので、磨きやすい順番で進めていくと良いでしょう。
しかし、順番を決めておくと、磨き忘れを防げるというメリットがあります。
あちこちバラバラに磨いてしまうと、磨き残しになりやすいため、一筆書きのような順番で磨くという方法もあります。
歯磨きの回数は、多ければ多いほど良いというものではありません。回数が多くても、きちんと磨けていなければ磨き残しができて、虫歯や歯周病の原因となってしまいます。1日に1回でも、必ず磨き残しがないように丁寧に磨けていれば、虫歯・歯周病予防に有効でしょう。
磨き残しがないように1本1本丁寧に磨くと、歯磨きに時間がかかります。そのため、1日に何度も時間をかけて歯磨きができない方も多いでしょう。朝・昼の歯磨きは時間をかけて行うことができなくても、夜(就寝前)の歯磨きをていねいに行うことを心がけることが大切です。
お子様が機嫌の悪い時間を避け、機嫌の良い時間に歯磨きを行い、慣れてもらうという方法もあります。毎食後に歯を磨くことが望ましいですが、お子様が嫌がってしまうと、お子様だけでなく保護者様にとっても負担になってしまいます。少なくとも就寝前はしっかり歯を磨くことが大切ですが、お子様と歯磨きを楽しみながら、歯磨きに慣れさせてあげることも大切でしょう。
歯周病(歯肉炎・歯周炎)の可能性があります。軽度の歯周病(歯肉炎)であれば、適切なプラークコントロールで改善も可能ですが、進行した歯周病(歯周炎)ならば、適切な治療が必要となるため、早めの受診をおすすめします。
歯肉に炎症が起きているならば、正しく歯磨きを行えていない可能性があるでしょう。ブラッシング指導を受け、正しい歯磨きの仕方を習得することが大切です。
その他の記事